ちば映画祭vol.6 上映作品

田崎恵美監督作品集 “その眼差しの先へ”

お茶の水女子大学に在学中の2007年に早稲田大学映画研究会に入り、自主映画を監督するようになる。待望の最新作『海にしずめる』ほか、カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門にて上映された『ふたつのウーテル』など珠玉の短篇を上映。

アンナと二階の部屋

2009年/日本/15分
監督:田崎恵美 脚本:田崎恵美
出演:本多由佳、橋口勇輝、小山駿助、橋本沙瑛、千石麻里子
  • 第32回ぴあフィルムフェスティバルエンタテインメント賞&企画賞
  • 第3回TOHOシネマズ学生映画祭ショートフィルム部門グランプリ

「平成・借りぐらしのダメ女」ともいうべき奔放な女性−

恋人ありの男と付き合うこと以外、損得の判断でしか日々を生きていない女。そんな彼女を軽やかに泳がせる、生きた人間描写の弾む楽しさ!

ふたつのウーテル

2010年/日本/15分
監督:田崎恵美 脚本:田崎恵美
出演:水口早香、澤田栄一
  • 第64回カンヌ国際映画祭 短編コンペティション部門ノミネート
  • 第5回田辺弁慶映画祭 特別招待作品

はじめてつながる二つの命

明里は、母の遺品のトラックで、自分を捨てた父親に会うため町を後にする。一方、その父親の新しい家庭の長男である広太は、自分の立場と父親に嫌気がさしていた。異母兄弟のふたりが出会い、気まずい小旅行が始まった。二つの昼と夜を越えてつながりだす姉弟の絆を、抑えた演出と冷静に見つめる落ち着いたカメラワークとで描いた作品。

海にしずめる

2013年/日本/53分
監督:田崎恵美 脚本:横川僚平、田崎恵美
出演:遠藤新菜、三浦英、石橋征太郎、北村岳子、真柳美苗、小宮一葉、田村健太郎、宮部純子、カトウシンスケ、藤田健彦、藤田みか

娘かもしれない少女の訪問 ―なかったことに出来ますか?―

過去に目を瞑り現在を生きる兄弟の元へ、ある日1人の少女がやって来る。自分の本当の父親を知りたいと言うその少女は、兄弟のかつての幼馴染みの女に瓜二つであった。互いに心当たりのある兄弟は、父親かもしれない自分に困惑する。
動かしようのない過去の“棘”が痛む。一方、それでも現在の営みは存在する。事実を前にした家族への眼差しの妙。その優しさの均衡や、軽やか且つ落ち着いた余韻は素晴らしく、好きだ。
物語の後半部分を撮影した千葉県富津市のロケーションも印象に残る。