■真利子哲也セレクション for ちば映画祭
最新作『NINIFUNI』(2月より全国順次劇場公開)がロカルノ国際映画祭で招待上映された真利子哲也監督の短篇作品を特集上映。上映される作品はすべて千葉初上映、さらに千葉市を拠点に活動するプロレス団体KAIENTAI DOJOの協力で撮影した『エルサント(仮)』パイロット版も特別上映。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリ受賞
8mmカメラを片手に映像制作を始めた男。家賃一万円のアパートに住んでいる。目の前には家族が住む、新築のマンション。面白いものを作りたいがうまくいかない。単身カンボジアに行って撮影を試みるも家族から手厳しい批判を受け、自我をぶち壊すべく、より過激な映像制作に挑んでいく。
オーバーハウゼン国際短篇映画祭オーバーハウゼン映画祭賞
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリ受賞
大学構内に学生会館があり、向かいには新築の校舎が建っている。学館で過ごしている男にとって新築の校舎は馴染めない。ある日、自分の先祖が海賊であると思い込んだ男は先祖に思いを馳せて、新築の校舎に果敢に飛び込んでいく。廃れゆく学生会館と8mmフィルムへのオマージュである。
Under 10minutes Digital Cinema Festival入選
祖父を亡くした家族が残された物の後始末に追われている。孫息子は家族のために何かできないかと考えあぐねていた。その時に見つけたある映画祭の賞金は「新車購入資金として100万円」であった。男は足の悪い祖母のため、映画祭への映像作品応募に動き出す。
制作費100万円で映像作品を作ることになった男は、全額宝くじにつぎ込むことに決めた。様々な手段で購入しようと試みるも予想以上のプレッシャーに苛まれる男。果たしてどんな結末を捉えることができるのか?
出演:玉井英棋、松浦祐也、礒部泰宏、木庭博光、(以下KAIENTAI DOJOより)滝澤大志、関根龍一、KAZMA、ヒロ・トウナイ、TAKAみちのく(特別出演)
プロレスジムの練習生の吾郎には、リングに立つことなどまだ先の話であった。しかし、伝説の覆面レスラーだった父が世間を騒がす張本人となり、息子の吾郎が注目を浴びてしまう。過酷な練習に体を痛める吾郎だが、仲間の期待を受け、何も言わずリングに立つ。初長編『イエローキッド』の公開直後に構想した企画『エルサント(仮)』 のパイロット版(試験的な映像)。KAIENTAI DOJOの協力の下、役者の玉井英棋がプロレスの稽古に挑むが、諸事情で現在企画は中断されている。本邦初上映!
監督/脚本:大畑創 特技監督:田口清隆 出演:森田亜紀、相澤一成、信國輝彦
意識が虫のようなものに乗っ取られ、発作が起こる奇病に冒された門田吉明。そんな彼を妻の恵子は献身的に介護する。しかし吉明の病状は悪化し、“へんげ”の症状が現れる。そんななか周辺で頻発する通り魔殺人。加速する“へんげ”と夫婦の愛の行き着く先は?『大拳銃』の大畑創監督が、夫婦の物語を軸に、ホラーもSFもアクションも特撮も丸ごと飲み込み、自主映画にあるまじきスケールで送る超巨大映画!!これは日本映画界への挑戦状!!
監督:フランク・へネンロッター、Jimmy Maslon
愛すべき救いどころのないサイテー映画を作り続けてきたハーシェル・ゴードン・ルイスのドキュメンタリー。貴重な資料と関係者・本人のコメンタリーによって、ついにその姿が浮き彫りにされる・・・のか? シアトルの超低予算ムービー発掘・救済レーベル、サムシング・ウィアード・ビデオの協力の下、日本初公開にして恐らく1回こっきりの国内最終上映となるであろう本作。〜ハーシェル・ゴードン・ルイスの作品は不条理さに溢れている。だけどもどうだろうか、僕らの生きている現実ってやつは常に不条理なことばかりである。きっと、彼の作品は、まるでこのクソ現実そのまんまを映し出す鏡の様なものなのであろう。〜彼を知り尽くすマニアの方は勿論、彼を知らない人には先ずは入門編としても最適な本作を体感して、是非とも“Yee-Haw”と人生共々笑い飛ばしていただきたい。
※一部過激な描写シーンが含まれております。ご了承の上、流血描写などに嫌悪感を感じる方はご遠慮ください。
監督:白石和彌 脚本:高橋泉、白石和彌 出演:小林且弥、内田慈、ウダタカキ、奥田瑛二
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009“SKIPシティ・アワード”受賞
ロッテルダム国際映画祭、釜山国際映画祭、ドバイ国際映画祭正式出品作品
知的障害者である兄・実生と二人で暮らす幹生は、性欲処理ができない兄のために、デリヘル嬢のマリンを招き入れる。地下アイドルとして活動しながら風俗で働くマリンには、いつか自分だけの島「ファラ・アイランド」を購入したいという夢があった。奇妙で穏やかな共同生活を始めた3人だったが・・・誰もがひとりでしか生きられない。でも誰もひとりでは生きていけない。そんな普遍的なテーマを題材に、現代の社会が抱える問題を浮き彫りにしつつ、“今”を必死に生き抜く3人の姿を、厳しさと優しさの交差した独自の世界観で包み描いた、狂おしいまでに愛おしい作品。
監督/脚本/音楽:小林でび 出演:小木曽睦美、村永奈緒、小林でび
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010ファンタランド大賞
カナダ・トロント第3回新世代映画祭上映
ひろしま映像展2010グランプリ
片思いのエイちゃんに彼氏の存在を感じとったネギ子は自殺を試みるが、その瞬間おばけのマリコローズが現れる。リストカットしようとするたびに現れるマリコローズは、明治時代、美少年バー「高嶺の花」を経営し、陸軍将校と無理心中した、日本最古のゲイボーイだった。明治生まれのゲイの幽霊「マリコ☆ローズ」がやって来て、歌う!おどる!そして私の恋を焚きつける〜!!!恋をするあなたに、また恋をしてないあなたにも贈る、愉快痛快ホラー活劇!!カミングス〜ン☆
監督/脚本/主演/メデューサと火炎放射器と特殊カメラ制作:Evan Glodell
毎日を火炎放射器などの武器の制作に費やす二人の男たち。彼らの目的は来るべき世界の終末によって生み出される、彼らの空想上のギャング団「マザー・メデューサ」から生き延びることだった。破壊のはじまりを心待ちにしながらも、二人のうちの一人が、ある女性に激しい恋に落ちたとき、彼らの情熱は予想外の方向へと向かい始める。新たな友人たちとの出会いは、男たちを彼らの終末幻想をはるかに超える、裏切り、愛、憎しみと過剰なまでの暴力に彩られた旅へと解き放つのだった。「映画秘宝」の“町山智浩のUSAレポート”で紹介された注目作品を日本初上映!!
監督:井土紀州 脚本:川ア龍太 出演:櫻井拓也、富岡英里子、吉岡睦雄、長宗我部陽子
うだつの上がらない日々を過ごしていた高校生・鈴江崇が住む町に、「カフ・サマージ」と称する宗教団体が移住してきた。崇の同級生らは、住民の青柳に命じられ、報酬と引き換えに教団へ嫌がらせを繰り返す。仲間からの孤立を怖れる崇も心ならずも嫌がらせに加担していた。そんななか、ひょんなことから崇は信者である少女と交流を重ね、その心の闇に触れ、次第に惹かれていく。男子高校生と宗教団体で修行する少女が出会い惹かれ合う“ボーイミーツガール”の切なく苦しく美しい青春の一時の物語を基調に、現代社会を交え描いた傑作。インディペンデント映画の製作と上映に強くこだわり、実践を続けてきた『ラザロ』『行旅死亡人』の井土紀州監督作品。日本映画学校俳優科(撮影当時)の若い俳優たちの瑞々しい演技も見所。